ふるさとの民話2– category –
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第二十八話 八幡神社の絵馬
八幡町の神社に黒く墨で塗りつぶした一枚の絵馬が掛かつている。 昔、八幡に威勢のよい、すばらしい一 頭の黒馬がいた。ところが、ふとしたことがら死んでしまった。 村人たちはたいへん惜しいことだと思い八幡神社へ絵馬にして掲げた。 絵馬のできぐあい... -
第二十七話 紅づけの銭
七尾街道の戻り橋のわきに、国分村の伝左工門さんが、 質屋を営んでいました。質屋の商売は、とても繁盛していました。 しかし、店のある場所は、野手道の一軒家でした。そのため、店が、たびたび、盜賊にねらわれ伝左工門さんは、困っていました。 ある時... -
第二十六話 兵衛どんのてんぐ様
国分高井の鷹合兵衛家は、代々、肝煎役をつとめた家です。広い屋敷に、 水がめを三個ものせた、茅葺寺屋根の大きな家でした。 奥座敷横の十五畳間が「てんぐ様の間」と呼ばれていました。家のうしろに、直径八尺もあるタブの巨木に、大蛇のような藤のつる... -
第二十五話 不思議な地蔵様
何年前の話か、知らないが。昔、飯川の人たちが、現在の鹿島町の石動山へ、たくさん山仕事に行かれたそうです。 ある時、仕事をしていると、笹原の中に、草が盛り上がっているところがありました。 「何であろう。」と思い、笹や草を取り除きました。する...