
江曽の川上に、真っ二つに割れた巨石があった。川が荒れ、その巨石は、埋もれてしまったが‥その昔、弁慶が、此の地を通りかかった時、山の神に「お前は、たいへん力持ちだと聞いているがどれほどなのか。」と、からかわれた。
怒った弁慶は「よし、見ていろ!」とそこにあった大きな大きな石を、力まかせに、手でたたいた。
すると、その大きな石が、真っ二つに割れて、一片が遠くへ飛び山の神の足下へ落ちた。
そしてその半分は、その地に残った。その巨石の割れ方は、まっすぐで、みごとなものでした。
山の神は、びっくりし、そのショックで、寝込んでしまいました。
その後、山は、荒れることもなく川も、治りました。
現在は、誠に残念ながら‥。また、弁慶は、手でたたいたのではなく、「大なぎなた」で切ったとも、伝えられている。
しかし、今は、見ることもできず、残念である。