
天狗様とは、赤いかをして、その鼻は、たいへん高く、ある面では、神様の代名詞に使われている。
天狗様が、ひとたび、その姿を現すと、万物すべて、恐れて平伏するという。
その天狗様が居住とするところは、大木の上である。
天狗様は、酒を好み、いつも音楽を奏して、楽しむといわれている。
『荒牧の与平腰(今の、惣右衛門の孟そう竹藪付近)というところ一帯は、昼なお、うっそうたる樹木が、繁っていたそうな。
ある時、商談がまとまって、その木々を伐ることになったそうな。
ある晩、「ドンチャン、ドンチャン」とにぎにぎしい音楽がなる中に、西の彼方の、『火の宮森』の方へ行ったそうな。」と、言い伝えられている。
(現在も、「火の宮」というところがあります。)