
八幡の国道のわきに、ぼん字を彫り刻んだ板碑(いたび)を背中にして、一基の地蔵がまつられています。
昔、七尾に住む早川千之助という武士が、かっけにかかった時、夢の中に仏様があらわれて、かつけが治ったと伝えられています。 また、このお堂は、小川をへだてて建っているので、地蔵にお参りする時は、そこにかかっている石橋を踏んで渡っていました。 ある時この石橋が、 仏様であることを知った村人たちは、おそれおおいことだと思い、この石橋を起こして、千野村の旧家、山□家の前の道路にまつったところ、夢まくらに、その仏様があらわれて、「わたしは、人に踏まれることによって、その人の病気を知り、それを治すのだから、どうか、もとどおりにしておいてくれ。」と言って、姿を消しました。
この話を聞いた村人たちは、おそれかしこみ、仏様をもとどおりの石橋にしたということです。